話題の「働き方改革」について詳しく解説!

看護師の手間を大幅に減らせるVDT

VDT(バイタルデータターミナル)の導入

看護師は多忙で心身共に負担の大きい仕事です。看護師にかかる負担を劇的に改善するシステムとして注目されているのが「VDT(バイタルデータターミナル)」です。どういったシステムで、導入するメリットは何かを紹介していきます。

VDT(バイタルデータターミナル)の導入
VDTとは

VDTとは

体温や血圧、心拍数など、人間が生きていることを示す値をバイタルサインと呼び、この値をデータ化したものをバイタルデータと言います。病棟勤務の看護師は患者さんのバイタルデータの測定を毎日行います。また、バイタルデータの測定は患者さんと直接コミュニケーションを取れる貴重な機会です。測定は日に数回行われますが、患者さんの状態によっては数十分ごとに行うこともあります。測定したデータは電子カルテへ入力する必要がありますが、それを忙しい業務の合間に行わなければならず、入力ミスも許されないため看護師にとっては非常に負担の大きい作業です。
そこで期待されるのがVDTの導入です。VDTは患者のバイタルデータを自動的に電子カルテに記録するシステムです。看護師が測定に利用した機器をベッドの近くに設置された端末にかざすだけで、患者さんのバイタルデータが記録されます。

実際に導入している病院

実際に導入している病院

このシステムを実際に導入しているのが、京都大学医学部付属病院です。VDT導入前までは、ノートパソコンを持ち運び患者さんのベッドサイドでバイタルデータを入力していました。さらに、忙しい時には数値を一旦紙にメモし、業務の合間に入力するなど、手間がかかるだけではなく入力ミスや入力忘れを招くリスクがありました。2016年にVDTが導入され運用を開始しましたが、それによって入力ミスはなくなり、バイタルデータを測定した正確な時間が分かるなど多くのメリットを得られる結果となりました。

IT化によって現場が変わる

IT化によって現場が変わる

このシステムは、「看護師の位置情報を測定する仕組み」を元に開発されました。そのため、現場の看護師は「常に行動を監視される」と受け取ってしまい、当初は強い反対がありました。そこで諦めずに何度もシステムの説明をして、なんとか看護師の理解を得られたことで導入にこぎつけました。効果はすぐに表れ、現場の看護師からは「断然仕事が楽になった」という声が寄せられました。
人間を介在させずに機械と機械をつなげるシステムを構築することで、仕事の効率は一気に上がります。これから先、AIやIoTの分野が医療現場に入り込み、普及していくことで業界全体の労働環境が大幅に改善されるでしょう。まさに最先端の働き方改革として、医療現場のIT化に期待が寄せられています。

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